1月5日

*** かるた ***

私は、北海道北部出身です。

北海道は、何かと、ローカルルールがあります。

例えば、百人一首ですが、北海道北部では、
普通と違い、「下の句かるた」というのをやります。

とる札は、木で出来ていて、厚さが1センチくらいあります。
縦横は、計ったことが無いので、正確な値はわかりませんが、
だいたい、5センチX8センチくらい。
(良く、並べて、ドミノ倒しをやりました。)
そこに、達筆で、下の句が書かれています。
なれないと、何が書いてあるかわかりません。

ルールは、3対3で、「守り」「中けん」「つき」(漢字がわからん)
札が減るまで、1人最低5枚を担当します。
守りが、一番多く札を持ち、中けんは、守りの苦手な札を受け持ちます。
つきは、自分の得意な札5枚だけを持ち、相手の守りの札を「つく」
(相手の札をとる)ことに、専念します。

とれる札は、自分のか、向かい(相手)のかで、横の人のはとれません。
相手の札をつくと、自分のチームから、1枚、好きな札を渡すことが出来ます。
早く、札が無くなったチームが勝ちです。

お手つきは、「てっぺ」と言い、相手から、札を一枚貰わなければいけません。
自分が「てっぺ」し、相手からつかれると、2枚札を貰うことになります。

読み手が、札を読み始めたら、
みんなで、床をばんばん叩いて、気合いを入れます。

読み札は、紙で、一応上の句も書かれていますが、
読むのは、下の句だけです。

まず、前の札の下の句を読み、今度の下の句を読みます。
(そして、一番最初は、なぜか、「我が衣でに、、」を読みます。)

読み方には、独特の節があります。

取り手は、読み手の癖なども見極めて、
前の札の下の句の終わり頃から、次の札を予想します。

どう予想するかと言うと、

たとえば、「今ひとたび、、、」「人に、、」など、
「い」や、「ひ」から始まる句は、前の句から、
静かに繋がってきます。

逆に、「今日かぎり、、、」や、「からくれ、、」「竜田、、」など、
「かきくけこ」「たちつてと」から始まるシリーズは、
前の句が読み終わるとき、一瞬、つまるのです。

例えば、「か」と発音する前は、誰でも、一瞬息を詰めるでしょう?

この、呼吸を読みとります。

大抵、頭の1文字か、2文字が聞こえたら、とります。

また、途中まで、一緒の句もあります。

「今日限り、、、」と、「今日九重、、」や、
「今ひとたびのみゆき」と、「今ひとたびのあらん」、
「我が身一つの、、」と、「我がみよに、、」「我が衣でに、、」
などです。

これも、「今日限り」は、「今日」の後ちょっとつまり、
「今日九重」は、「今日」のあと、少し、ひきますので、
だいたい、「今日」を言い終えたあたりで、とってしまいます。

「今ひとたび」ものも、「たびの」の言い方で、わかります。

ただ、これは、読み手がうまい場合で、
下手な読み手だと、みんな一緒になってしまうこともあります。


また、この、途中まで一緒シリーズが、
2枚とも自分のところにあるときは、
(大抵、並べて置くので)指一つでとれるように、
手で覆う、(人差し指か、薬指をちょっと動かすととれるように)
ということも、良くあります。

つきは、その指の間から、文字通り突くか、
または、状況によっては、上から、べたっと、
相手の手をつぶし、「正しい札をとったけど、お手つきもした」
状態に持っていくこともあります。


何にしても、札が木なので、はらうと「かこーん」と飛んでいって、
痛快です。

たぶん、テクニックなどは、普通の百人一首と同じなのでしょうが、
(普通のは、やったことがないので、わかりません。)
なかなか、面白い物ですよ。

みんな、区別のつけられる範囲でしか、札を覚えてないので、
「しのぶ」「人の」「人に」「みを」という風に、頭の単語しか、
知りません。(下の句すらも、全部覚えてないという、、)


ちなみに、このかるたは、冬の間だけやります。
子供の頃は、各子供会対抗の大会があって、
11月頃から、毎日、会館に集まって、練習していました。
お正月明けには、「北部3町」という、天塩町、遠別町、幌延町の
大会がありました。

ああ、久しぶりに、やってみたいな〜。




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